否定をしない習慣【読書感想】
・感想
コミュニケーションの教科書
普段の会話のほとんどは否定しなくても成立する、むしろ否定することでその会話や人間関係そのものも悪化してしまう。それなのに、私含め多くの人は普段の会話の中で無意識の内に相手を否定してしまっている。それをいかに意識的に否定しないかの技術がたくさんまとめられていた。
ここに書かれていることを実際のコミュニケーションで実践できたら、良い人間関係を築いていけるのではないか。
この本も否定しない
非常に読みやすかった。改行を多用して本内に余白を多く作っていたり、重要なフレーズや文章をはっきりと太字にしたりして、文字が追いやすくスラっと読み切ることができた。
しかしそれ以上に、筆者が読者のことをまったく否定しない言葉遣いをしていたことが一番読みやすかった要因だと感じた。こういう実用書は読者を否定することから入るものが多いように感じるが、本書では紹介されている技術が本文ないでも多く使われていて、否定しない技術の実用性を読みながら体感することができた。このような実用書は初めてだったので、読み終わって気づいたときには感動した。
傲慢と善良【読書感想】
・感想
ためになった
「結婚という一つの大きな選択に対する現代人の考え方」に対する意見だったり考え方だったりが丁寧に細かく記されていた. 自分自身の結婚観はかなり曖昧なものであったが、この本を読んだ後にはかなり明確化されたような気がする.
また、登場人物一人一人の性格、口調、言動から、主人公たちが多くのことを感じ取って、各々の考えを更新していた. このような主人公たちの感受性は今の自分自身にはないもので、一つ一つの出会いを有意義なものにするために必要なことだと思うので、見習っていきたい.
取っ散らかっていた印象
ストーリー的にあまり重要でないはずの人物、場所から強烈なメッセージが飛んでくる場面が多くあった. それが後の伏線になるのかなと思いながら読んでいたが、最後までメインストーリーとの絡みは少なかった. このメッセージ自体は心に響くものがあったが、それによって本筋の主人公たちのエピソードが弱くなってしまった印象.
結婚前の一組のカップルが引き起こすミステリ物語であるが、骨となるストーリーの内容はほとんどない。実際、読み終わった後に「ここってストーリー的に本当に必要なのか?」となる部分がいくつかある。しかしその代わりに、主人公たちが一つの選択をするまでの心境の変化や過程が事細かに表現されていた. 不要と思える部分も、その余白があることで主人公たちが選択に至るまでの葛藤を読者も感じることができるのだろう.
傲慢と善良
本編内のセリフにも登場する「傲慢と善良」というタイトルだが、これは主人公たちを表しているのではと感じた. お互いにお互いを傲慢で善良であると結論付けているような印象を受けた. 結婚にはやはり傲慢と善良が必要なのかもしれない.